西武池袋線武蔵藤沢駅から閑静な住宅地を通って徒歩約13分。明るく清潔な校舎が並ぶキャンパスで、狭山ヶ丘高等学校付属中学校の生徒たちは自分を磨き、成長を実感しながら学校生活を送っています。もともと進路指導には定評があり、高校全体の進学実績も好調ですが、なかでも中学校からの内進生の最難関国公立大学や最難関私立大学への合格実績は目を見張るものがあります。
「中学校の指導目標は生徒全員が力を伸ばし、次のステップに対応できる確かな基礎の土台を築くように導くことです」とおっしゃる教頭の大江基史先生にお話を伺ってきました
手厚い学習支援のもと3年間で全員がレベルアップ!
狭山ヶ丘高等学校付属中学校の学習指導は、生徒の発達段階に合わせて、中1、中2は徹底的に手厚く、中3からは徐々に自走できるように展開しています。「本校の生徒は難関大学への現役合格を目指しているので、高校進学後、ハイレベルな受験に対応する授業にしっかりついていかなければなりません。そのためには中学校段階で全員が一定のレベル以上の学力と学習習慣を身につけておく必要があります。そこで、学習指導要領上の標準時数を超える豊富な授業時間を確保し、科目ごとに工夫を凝らした指導を展開するとともに、授業以外でもさまざまな学習支援を実施して、生徒一人ひとりの力を確実に伸ばすようにしています」。
狭山ヶ丘ならではの学習支援には、週3回、英数国の3教科をレベル別クラスで展開する【朝ゼミ】【放課後ゼミ】、授業内だけでなく、帰りのホームルームでも行われる【小テスト】、夏期休業期間中と冬期休業前に開講される【夏期講習】【冬期講習】などがあります。自習施設としても中学専用図書室 兼 特別自習室を完備。隣に職員室があり、わからないことがあればすぐ先生に質問できる環境です。
「【朝ゼミ】は7時20分からの開講なので、保護者の方には早い時間からのお弁当作りなどでご苦労をおかけしますが、生徒全員に“朝、勉強する”という体験をさせたいと考えて行っています。ここで朝の方が頭がクリアに回ることを体感し、その後の学習習慣につながった生徒も少なくありません。また、帰りのホームルームで行う【小テスト】は授業内容を復習するごく簡単な内容ですが、友だちもみんな受けることが授業を真剣に聴くモチベーションになると考えています。【夏期講習】や【冬期講習】は本校に在籍する教員が担当し、受講はすべて無料です」。
ふだんから課題が多く、放課後の再テストもできるようになるまでくり返すなど、入学したばかりの中1のなかには、勉強量の多さに苦労する生徒もいますが、3年生になると、みんな自分なりに学びのペースをつかめるようになるということです。そして各学期に1回ずつ行われる【学力推移調査】では、学年全体の偏差値ポイントの上昇率が県内トップレベルを維持し続けており、生徒の学力が着実に伸びていることが実証されています。
「生徒を指導していて実感するのが、体系的な基礎知識が定着していないと、思考力や表現力を問われても、いいパフォーマンスは発揮できないということです。AI が台頭し、世の中が大きく変わっても、変わらないものがあります。学年が下であればあるほど、身につけなければならないこと、定着させるべきものの普遍性は大きいのではないでしょうか。だからこそ本校では、昨今軽視されがちなドリル的な学習にも地道に取り組み、高度な学びに取り組む土台となる力をしっかりと身につけさせたいと考えています」。
さまざまな体験や経験を通じて社会理解と自己理解を深める
狭山ヶ丘では、こうした学習指導に力を入れて取り組みながら、体験型学習も数多く実施しています。なかでも中1、中2の「総合的な学習の時間」に行われる農作業は、机上で学ぶだけでなく、仲間と一緒に汗を流して働く経験を積む貴重な機会になっています。
「農作業は、週1回、本校が所有する畑に行き、3~4人のグループごとに1区画を担当して、土地を耕すことからすべて自分たちの力で行います。いろいろな作物を育てる経験を通して、食のありがたさ、労働のたいへんさ、責任感を学びます。この経験がきっかけで大学の農学部に進学した生徒もいるんですよ。とはいえ、全員にそこまで突き詰めてほしいわけではありません。ここで土に触れ、食物の育つ過程を体験したことが、いつか社会問題に関心をもったり、生活を豊かにしたりする原体験になったらうれしいと思っています」。
東京都心へも自然豊かな場所へもアクセスしやすい立地の良さを活かして、学校の外に出ることも多く、理科実習や地歴分野の校外学習も多彩です。
「さまざまな体験や経験を通して、自分の興味あることは何か、将来何がやりたいかを見極めていってほしいですね」。
学年縦断のグループワークで成長を促す
狭山ヶ丘では、外部と接点を持つ場を積極的に設けています。その一つが埼玉弁護士会による出張授業です。「学校内でスマホを使えるようにするのはいいことか?」「食べ放題の食べ残しに追加料金は必要か?」といった身近なテーマを設定し、生徒たちがグループごとにまとめた意見書に対して、弁護士の方からフィードバックしてもらいます。
「多角的な視点や論理的な意見の組み立て方を学ぶとともに、弁護士の方と接することがキャリア教育にもつながっています。また、各グループに中1から中3まで全学年の生徒が必ず入るように編成し、他学年と刺激し合えるようにしているのも大きいと思います。上級生はリーダーシップを、下級生は上級生の姿をロールモデルとして学びます」。
このほかSDGsを学ぶ探究活動にも全学年ミックスで取り組むなど、年数回行われる学年縦断のグループワークは、生徒の成長を促す重要なきっかけになっています。