三輪田学園中学校・高等学校は「徳才兼備の女性の育成」を教育の理念に掲げ、豊かな人間性を育むとともに一人ひとりの才能を伸ばしていくオリジナルの教育を展開してきました。そして今、大きく揺れ動く時代の中で、生徒がみずから「なりたい私」を見出せるように、より積極的に探究し、挑戦する機会をたくさん用意しています。今回は教育研究部の国語科教諭・千葉未緒先生に、毎年アップデートとブラッシュアップを重ねて進化する三輪田の探究学習について伺いました。
「自分を知る」を土台とした探究学習
三輪田の探究学習は、「16のコンピテンシー」を確実に伸ばせるプログラムとして構成されています。探究学習は①問を立てる→②仮説・検証→③発表というプロセスをたどりますが、ただ形式的に順を追うだけではなく、①では「観察し、一度受け入れる力」「疑問を持つ力」「問いを分類し、整理する力」「問いを深める力」、②では「文献を探し、読み解く力」「情報を活用し、分析する力」「論理的に考える力」「実際に手足を動かし、検証方法を実践する力」、③では「文章にまとめる力」「資料を作成する力」「声に出してプレゼンテーションをする力」「他者の発表や他者との協働から、学びを深める力」を培うことを目標として行います。そしてさらにもう一つ、①②③すべての土台に④自分を知るプロセスを置いているのが三輪田の探究学習ならではの特徴です。④では「自分がどのような人間なのかを考える力」「自分には何ができるのかを考える力」「計画を立てて実行する力」「失敗から学ぶ力」を身につけていきます。
「重視しているのは、探究学習の中に“自分一人で考える時間”をつくることです。じっくり自己分析に取り組み、得意なことや好きなことを見極めて将来につなげてほしいですね」。
「問い」を自分事としてとらえる
中学の探究学習「MIWADA-HUB」は、中2・中3の総合的な学習の時間に行います。中2では①問を立てる前にまず④自分を知るためのマンダラチャート(マンダラート)に取り組みます。これは3×3のマス目の一つひとつにアイディアを書き込み、アイディアを整理し広げていくツールで、中心のマスにテーマを書き、その周辺に連想した語句をどんどん書いていきます。生徒はこの活動を通じて、「自分は何に興味があるんだろう」「問題だと感じることと自分の好きなことをつなげたらどうだろう」と探究の種を見つけていきます。ときには外部のツールを使い、先輩や他校の生徒が取り組んだプロジェクトを見て、自分がどんな探究に取り組みたいか考える手がかりにすることもあります。そして実際に①②③のプロセスをたどる中で新たな問いが生まれる経験も積み、問いを自分事としてとらえ、主体的に探究学習に取り組む姿勢が培われていきます。
好きと学びがつながる経験が未来の自分の原点になる
今年度の中3は、平和学習の一環として実施している広島修学旅行につなげて、まず「平和のために今の自分は何ができるか」を考え、修学旅行の前に2週間実行してみるという取り組みを行いました。生徒はそれぞれ「もっと世界を知るために、毎日10分ニュース番組を見たり、新聞を読んだりする」「安心してクラスで過ごせるように、マイナスな言葉は使わないようにしてアンガーマネジメントのために日記を書く」など目標を立てて実行し、そのうえで広島を訪れました。その結果、平和を自分事としてとらえて、「身近なことと社会問題はつながっている」「身近なことなら自分でも手を付けられる」と実感するとともに、「一人ではこのぐらいしかできなかったが、みんなを巻き込んだらもっと何かできるかもしれない」「自分の得意なやり方で表現してみたらどうだろう」「さらに継続したらどうなるだろう」と考えるきっかけにもなったということです。
2学期からはそれぞれ自分なりのテーマを見つけて探究に取り組みますが、中3は特に②仮説・検証に力点を置きます。リサーチ会社の方を招いて、アンケート調査について学ぶほか、社会的課題に関する作品を読んで卒業論文作成に取り組む「社会科読書」とコラボして文献調査の方法を学ぶなど、今後、より学術的に深める高校の探究学習「MIWADALAB」に発展させていけるように力をつけていきます。
「何より探究学習を通じて、自分の好きなことが学びにつながったり、学びが好きなことに活かせたりすることを感じてほしいと思います。それこそが、将来、仕事や研究に取り組む原点になるからです。これから入学するみなさんも、“好き”や“得意”を大切にする三輪田の学びを楽しみにしていてください」。