千葉商科大付属の 新たな時代が始まっている

2025/10/30(木)
大学と連携してSDGs・金融リテラシー教育を展開するなど、オリジナルの実学教育に取り組み、幅広い視野をもって社会の発展に貢献できる人材の育成をめざす千葉商科大学付属高校。2023年には新校舎も完成し、生徒はいきいきと学校生活を満喫しています。今春、同校初の民間出身となる高井宏章校長が就任され、さらに新しい風が吹き込みました。「よき伝統を大切にしながら、未来を見据えた新たな取り組みにも積極的にチャレンジしていきたいですね」と笑顔を見せる高井校長に、お話を伺ってきました。
安心して通える学校で、
気負わずどんどん挑戦しよう
 「本校は、先生方に対する生徒の評価がとても高い学校なんですよ」と高井校長は胸を張ります。
 「先生方は本当に面倒見がよく、どんなときも生徒第一でケアすることがあたりまえという文化があります。先生同士も学年や教科の枠をこえて仲がよく、誰もが信頼し合える雰囲気が浸透しています。それがベースにあるからこそ、生徒はクラスなりクラブなり学校生活のどこかに自分の居場所を見つけることができるのではないでしょうか。学校は何より、安心して通えることが重要だと思いますが、その条件はクリアできている自信があります」。
 同校には普通科の特進選抜・総合進学と商業科があり、それぞれの希望に合わせて幅広く学ぶことができます。部活動や学校行事もさかんです。また国際理解教育にも力を入れていて、アメリカでのホームステイや、市川市との連携によるフランスのイッシー・レ・ムリノ市のイオネスコ高校との短期交換留学をはじめ、国内外で様々なプログラムを展開しています。
 「本校の生徒には、“高校3年間に自分はこれをやった”と自信をもって話せるようになってほしいですね。そのために、生徒が自分でやりたいと思ったことに主体的に取り組めるステージをたくさん用意しています。失敗を恐れたり、正解を出さなければとプレッシャーを感じたりする必要はありません。私はいつも、“高校生には失敗する権利がある”と話しています。気負わず、どんどんチャレンジしましょう!」

生徒の力で、
学校をもっとおもしろくしてほしい
 高井校長は大学卒業後、日本経済新聞社に入社。マーケット、資産運用などを長く担当し、ロンドン駐在員、編集委員を務められました。在職中の2018年に出版された「おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密」(高井浩章名義)は10万部超のロングセラーとなっています。日経新聞社退職後は、「経済・投資を、たのしく、やさしく、べ
ての人に」をコンセプトに開設されたYouTubeチャンネル「高井宏章のおカネの教室」をはじめ、X(旧Twitter)、noteなど多様なメディアを用い、経済だけにとどまらず、教育論や書評などの幅広い情報を発信され、多くの支持を得ています。
 現在も経済コラムニストとして活躍しながら、校長を引き受けられたいきさつを伺うと、「いちばんの理由は、おもしろそうだったからです」という答えが返ってきました。
 「これまで金融教育は自分のライフワークに位置付けて取り組んできましたが、学校教育、ましてや校長という仕事についてはまったくの素人です。でも“社会にとって教育は最善の投資”を持論とし、教育の重要性は強く認識していましたし、そろそろ自分が上の世代からもらったものを若い世代に渡していく時期がきたのではないかとも感じていました。特に本校は金融教育に力を入れているので、自分の専門を活かして、実際に現場で生徒を伸ばしていけるのがとてもおもしろそうで、教育に正面から向き合う決意を固めました」。
 生徒にも「自分たちの力で、学校をもっとおもしろくしてほしい」とおっしゃる高井校長。千葉商科大学付属高校のさらなる進化に期待が高まります。

高井 宏章校長Profile
千葉商科大学付属高校校長/ 経済コラムニスト・YouTuber/経済青春小説「おカネの教室」著者/元日経新聞編集委員/1972年生まれ/三姉妹のお父さん/ビリヤード/LEGO/バスケ
2学科3クラス編成で、
それぞれの目標に合わせた教育を展開

●普通科(特進選抜)
 国公立大学や難関私立大学に一般選抜で現役合格をめざすクラスです。1年次は基本的な学習習慣を身につけ、2年次・3年次は千葉商科大学進学を含めた文理に応じた授業選択、土曜講座を活用した国公立対策・入試対策指導を受けることが可能です。また、一定の条件を満たすことで、千葉商科大学に100%合格が保証される制度があり、安心して他大学入試に挑戦できます。

●普通科(総合進学)
 千葉商科大学を中心とした多様な進路を実現するための学力を育てるクラスです。高大連携教育を含め、“科目×社会で役立つ力”を実践的に身につける「実学」を総合的に学ぶカリキュラムを設定し、自ら学ぶ姿勢を培っていきます。勉強と部活動・行事などを両立しながら、2年次以降は、資格取得のプログラムや英検対策など、多数設けられた選択科目により、生徒一人ひとりが自分の必要に応じた指導を受けることができます。

●商業科
 千葉商科大学進学を見据えた実学重視のカリキュラムを設定し、普通科目のほか、簿記や情報処理をはじめとする商業科目を幅広く学ぶとともに、将来につながる資格取得に取り組みます。2年次より「会計型」「IT型」「ビジネス型」の3つのコースに分かれて学習を進めます。また、授業で学んだ知識を実践的に体験するプログラム「価値創造プロジェクト」では、地元企業とコラボレーションして、商品開発を実施。地域のニーズを調査して特産物を使った新商品を考案し、それらをフードグランプリに出品したり、「道の駅いちかわ」で販売したりするやりがいのある活動です。会議録の作成やアポイントの電話対応などリアルなビジネスを体験し、地域社会に貢献する気持ちも育んでいきます。
高大一貫教育で学ぶ
「金融リテラシー×SDGs」
 金融教育の歴史と実績があり、SDGsにも力を入れている千葉商科大学。その強みを生かした高大一貫教育では、これからの社会について考えながら、一人ひとりが自分のライフプランをデザインし、適切なお金との関わり方を身につけます。また、よりよい社会づくりに貢献する、持続可能な消費や投資についても学びます。2022年度には日本FP協会と包括協定を締結。力強いサポートを得て、広く深く金融リテラシーを学べる環境が整いました。
 具体的には「総合探究」の時間に、高1はSDGsについて学び、高2はSDGsに関わるプロジェクトを考案するなどの活動を通して“社会軸”を確立し、そのうえで、高3で金融リテラシーをテーマに、自分のライフプラン、マネープランを考えて“自分軸”を確立していきます。
 金融リテラシーの授業では、家計の収支管理の基本や、自立した生活のための資金計画について学び、ライフプランとそれに基づくファイナンシャルプランを考えます。そして折々のライフイベント時に事故、病気、失業、災害など、リスクに見舞われたときの備えや、経済、社会保障、保険、金融商品の種類、不動産などについても学習していきます。さらに自分がデザインしたライフプランについて、住宅取得プラン作成などのケーススタディを行ったり、家計や税金の計算アプリを活用するなど、実践的な学びにも取り組み、個人にお金のアドバイスができる「ファイナンシャルプランナー(FP)」に求められる高度な金融知識まで身につけて、ライフプランの実現可能性を高めていきます。
 金融教育に力のある高井校長が昨年、顧問を務められ、内容はさらにレベルアップ。ゲームを取り入れて生徒の興味を引き出すなど、主体的に学べる工夫をしながら、「行動経済学」にも取り組むなど、ハイレベルな授業を展開しています。また新たな部活動として、簿記やコンピューター、金融について、実践しながら幅広く学ぶ「ビジネスラボ」も発足。生徒の関心は高く、すでに約50人の部員が在籍して、楽しみながら金融への知識を深めています。
「未来・地域・生徒同士が“つながる”」をコンセプトにした自慢の校舎
 木のぬくもりを感じる居心地のいい校舎には、自然光がたっぷり降り注ぐ明るく開放的な空間が広がり、階ごとにイメージカラーがあったり、デザイン性のある教室表示を使用したりと、機能性の充実だけでなく、学校生活が豊かになる様々な工夫が凝らされています。
 また、校舎内部の熱が自然に循環する設計になっており、省エネに貢献していることから、国土交通省認定の建築物省エネルギー性能表示制度BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)で最高評価の5スターと、国内高校初のZEB Ready(Zero Energy Building)の認証を取得。持続可能性が求められる21世紀の
世界で活躍する生徒たちにふさわしい教育環境です。
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